支えられてきた25年、そして「やさしい医療」へ
コスメディ製薬 代表取締役社長 権 英淑より皆さまにメッセージ
コスメディ製薬は、2026年5月30日、創業25周年を迎えました。
この節目を迎えることができましたのも、お取引先企業の皆さま、金融機関、大学・医療機関、行政支援機関、地域の皆さま、そして日々挑戦を続ける従業員一人ひとりをはじめ、多くの方々に支えていただいたおかげです。心より感謝申し上げます。
私たちは、京都薬科大学から出発し、中小企業支援施設のインキュベーターを経て、一歩一歩成長してきたベンチャー企業です。その軌跡を、揺籃期 → 技術シード創出期 → 経営学習期 → 成長期として振り返ります。

研究への情熱がすべての原点
揺籃期では、京都薬科大学の薬剤学研究室にて、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の中でもTTS(経皮吸収治療)の研究に特化し、「注射に代わる投薬方法」の技術開発に埋頭し、夢中になっていました。大学研究室で育まれた技術シーズと、多くの研究者・支援者との出会いが、今日のコスメディ製薬の礎となっています。
技術を社会へ届ける挑戦
技術シード創出期では、「経皮吸収のすべて」をテーマに、皮膚関連研究を幅広く進めました。経皮吸収治療用パッチ型医薬品、かぶれにくいやさしい医療用ドレッシング(医療機器)、貼る化粧品などをいち早く社会へ届け、生活者の皆さまから多くの反響をいただきました。
そしてその頃、私たちはアメリカの学会で「マイクロニードル」という技術に出会います。皮膚に貼るだけで投薬が完了する「貼る注射」というコンセプトで、マイクロニードルの研究開発をスタートしました。
学び、企業基盤を構築
経営学習期では、大学発ベンチャーとして歩む中で、中小企業支援施設であるクリエイション・コア京都御車に入居。近畿経済産業局をはじめとする多くの支援機関から、財務・人事・知財・GMP体制など経営に必要な知見を学び、研究開発型企業としての確かな基盤を築くことができました。
そして、その場所で「溶解型マイクロニードル」という世界初の技術を開発し、シードから社会実装へ、新しいマイクロニードル市場を創出することができました。
協創による市場創出と未来開拓
成長期では、大阪大学とのインフルエンザワクチンパッチ開発、三重病院との食物アレルギー治療用アレルゲン経皮送達パッチ研究など、産学医連携による挑戦を重ねてきました。NEDOやサポイン事業の支援のもと、技術は多くのパートナーとの協創によって育まれることを実感しました。
美容分野への展開においては「100%ヒアルロン酸からなるマイクロニードル化粧品」という革新的な発想で、業界に新風を吹き込みました。量産化に際しては、京都産業21、京都高度技術研究所(ASTEM)をはじめとする多くの機関の支援を受けながら、安全性と有効性を追求し、GMP準拠(ISO22716認証)の桂工場・吉祥工場の稼働を通じて市場を切り拓いてきました。
振り返れば、この25年は「技術を社会へ届ける挑戦」と「社会に育てられる企業としての成長」の歴史でした。そして今、コロナ禍という大きな転換点を乗り越え、マイクロニードル技術をさらに深化させています。塗るマイクロニードル、注入型マイクロニードル、歯科麻酔用マイクロニードル、CGM(持続血糖測定器)を活用した新たな糖尿病診療機器など、次世代医療の実現に向けた挑戦を続けています。
創業当時はわずか3名という小さな組織でしたが、現在では約200名の仲間がいます。前例のない技術ゆえに理解されない場面もありますが、それでも私たちは技術の可能性を信じ、汗を流し、困難を突破しながら日々奮闘しています。
これからも仲間たちとともに独創的な技術で社会課題の解決に挑み、人々の健康と豊かな暮らしに貢献していきたいと考えています。
さらなる未来に向かうための新パーパス
会社の規模が変わっても、創業時のベンチャーマインドを忘れては前進できない。その思いから、2025年、私たちは「知性とテクノロジーで、想像を超える感動を」というパーパスを掲げました。

ここでいう「知性」とは、人の発想力や創造力、そして困難に向き合い続ける力そのものです。「テクノロジー」とは、長年培ってきた経皮吸収治療技術、そしてマイクロニードル技術です。
私たちは「Innovation for Friendly Medical Care」の理念のもと、よりやさしく、より安心できる医療を実現したい。過去も未来も、大切にしたい思いです。
高齢化社会、医療アクセス、在宅医療など、医療を取り巻く課題は今後さらに多様化していきます。だからこそ私たちは「皮膚から届ける」という技術を通じて、患者の負担を少しでも減らし「やさしい医療」を社会に届けていきたいと考えています。
これからも「技術を社会へ届ける」という原点を忘れず、多くの皆さまへの感謝を胸に、新たな挑戦を続けてまいります。
2026年6月4日
コスメディ製薬株式会社
代表取締役社長 権 英淑