日本DDS学会「Drug Delivery System」に権 英淑の論文が掲載されました。
日本DDS学会発行の機関誌「Drug Delivery System」2024 年 39 巻 2 号に権 英淑の論文が掲載されました。
タイトル
マイクロニードル技術による経皮ワクチンの開発
著者
権 英淑
抄録
筆者らは水溶性高分子からなる溶解型マイクロニードル(MN)と生分解性ポリマーからなる塗布型MNを開発し、2008年世界で初めてヒアルロン酸MN技術を応用したスキンケア化粧品を製品化した。医療分野においては、糖尿病治療薬exendin-4などの薬物のバイオアベイラビリティが著しく向上し、皮下注射とほぼ同等な動態挙動を示した。MNは、痛みを最小限に抑えて、低侵襲、自己投与を可能とし、パンデミック時の大規模かつ迅速な接種を可能とする有望なワクチン投与方法である。インフルエンザワクチンMNを用いた臨床研究では、A型株、B型株に対してThe European Medicines Agency(EMA)判定基準により安全かつ有効であることが実証された。特に筆者らは皮膚穿刺性を格段高めたDonutNeedlesⓇを開発し、新規ワクチンの事業化に向けて進捗させつつある。